0630 起床。

いよいよ一般公開日である。多摩大学では、いつの頃からか、この週末一般公開期間を「本番」と呼び習わしている。大挙して来場する(一般市民でありながら非常に目の肥えている)Laval 市民をどれだけ楽しませることができるか、展示者の腕の見せ所である。

今日、アシスタントについてくれた学生さんは、これまでの学生さんのはじけた陽気さとはまた別の、落ち着いた的確なサポートで大変信頼感が高い。最初に「我々がフランス語でできるだけ説明しますが、だめそうだったら救援お願いします」と伝えたところ、見事なタイミングでサポートが入る。これまでの何年かのアシスタント学生の中でも、特に優れていると感じた。聞くと、彼女、コミュニケーションを勉強しているとか。将来が楽しみです

彼女のサポートも受けて、岩下君がフランス語でどんどんお客さんをさばいていく。反射材つきの子供服や靴には弱いシステムだが、これも、的確にその影響を見極めて説明しながら対処する。おお~3日間の練習の成果が今ここに!

ほとんどの子供は、苦労して実現した側面投影の魚には目もくれず、ただひたすらすくっては左に放流する(と新しい魚が出現する)ことにはまり込む。張り付いて離れない子が出る。「これでおしまい」という区切りを作らなかったのは失敗だな。「子供にうける展示はよい展示」という多摩大学オリジナルの標語があるが、今回もよい展示になったようだ。

一方、おじさんが側面投影に気づいて、愕然とした表情を浮かべて見つめているのは、製作者としては勝利の気分である。「プロジェクタ1台だって?どうやって?」と聞いてくる、つまり、技術的な高度さが瞬時に理解される(そしてその技術的な説明がすんなり受け入れられる)のが、Laval の一般市民である。ここに、同じ場所でずっと開催されている Laval Virtual の伝統と歴史を感じることができる。

お昼過ぎには「なぜ日本人は Laval Virtual にやってくるのか」というタイトルでパネラーとしてディスカッションに参加する。Laval 到着直後に「やるのでよろしく」といわれて急遽決まったもの。基本的に、同じ場所で開催されていることによる安心感や一体感、街の治安のよさ、参加者の多様性といったところが私の論点でした。

異様なテンションのもと、本番初日は終了。夕食をのんびりとって、翌最終日に備える。

ここで、Laval Virtual 開催を伝える新聞を入手したが、1面には Grippe Porcine で死者の記事が。Grippe Porcine てなんじゃらほい? 辞書を頼りに翻訳して……ががーん。次は「鳥」じゃなかったのかよ。

不安を残しながら 2330 ころ入眠。

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